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  「ヨコ派」の繰り言    

                          『季刊・本とコンピュータ』 7号 1999年
   

私の好みは横組みである。学生時代に物理を専攻したためもある。数式の入る原稿は縦組みには似合わない。
 駆け出しの頃は、ニホンカナモジカイの会員であった。カナ・タイプを手に入れる程度には熱心であった。そのカナ・タイプの活字は横組み用に設計されていた。
 中年になって、10年間ほど情報システム部門のマネージャーをした。当時のコンピュ ータは、入力も出力もすべて横組みだった。
 こんなことで私の横組み経験には年季が入った。いまではファイルの背文字も横向きに 書きこむ。玄関の表札も横組みで懸けている。
 だが、どうしたことか。この原稿の依頼ではじめて気づいたことだが、これまで刊行し てもらった20冊の本はすべて縦組み!
 と、気落ちしていたら、1冊だけ横組みがありました。著書の一つに韓国語訳があり、これがハングルの横組み。私には読めないが、急にいとおしい本になった。

   
    名和小太郎   読書論・出版論(2)                    トップペ−ジへ   読書論・出版論リストへ  次へ  前へ